2011-07-13

全体会 : 現地調査に行って参りました。

7月9日,岩手県沿岸の陸前高田市を訪れた。

平泉でにぎわう一ノ関から車で約1時間,山が開けてたどり着いた街は,
一見すると普段どおりの様子に見える。現地のボランティアセンターとなっている旅館でお話をうかがい,市街地へ。
街は,見る影もなく消えていた。家々が立ち並んでいたと思われる区画は,整理されて更地になり,瓦礫が山となって
そこここの集積場に積み上げられている。その高さは,なんとビルの5階を越えている。この瓦礫の処理が決まらなければ,
復興に向けた街の歩みも現実味をもたないのではないかと思われた。

職員の3分の1が亡くなったという市役所は,臨時庁舎を転々とし,しかし,市の機能を果たそうとしていた。
食料を売る店はほとんどないが,ボランティアセンターとともに仮設のコンビニも現れている。
仮設住宅の建設も進んでいて,この地でまた暮らそうという人々の息吹が感じられるようだった。

ただし,それには強力な支援が必要だ。人々がまた街に戻り暮らすには,生活再建のためのバックアップは欠かせない。
震災から4ヶ月が経とうとし,その必要性が増しているが,具体的には必ずしも見えない。
地域をとりまとめる製材業の区長さんを訪れる。
塩害の田を再生するために,とうもろこしとヒマワリの種を植えているそうだ。
支援のボランティアとの交流も生まれているという。
「津波を逆手にとって楽しまないと」という言葉に,こちらが励まされる思いだった。